「そしてバトンは渡された」はとても感動的なお話でした。
さてホンタイコーナーもそろそろ終い・・・
そんな時期にきて、勝手ではありますが
私、文芸書担当者のオススメ本、「勝手に本屋大賞」を発表します !
「勝手に本屋大賞」第1位は・・・
三浦しをんの「愛なき世界」/ヽ(`▽´)/
出版社 : 中央公論新社
価格 :1600円+税
ISBN :9784120051128
「舟を編む」にも似た空気、一種異様な現場を体験することができる小説です。
舞台は東大の植物学研究室。
たかが葉っぱ、されど葉っぱです。
シロイヌナズナ?シジュウヘンイタイ?
読書しながら、スマホで調べずにはいられません。
葉っぱの研究にしか興味のない大学院生の美女と
植物学には縁もゆかりもない洋食屋見習いの青年の恋、
果たして恋の行方は・・・
みたいな筋書きですが、感動は別のところに用意されています。
研究室のメンバーもそれぞれ面白く細かく描かれていて
変人マツダ教授のエピソードには思わず涙が。
内容以外でも大賞に選ぶには理由があります。
まずは装丁がとても美しいこと。
キラッと光る、存在感があります。
そして(ソフトでなく)ハードカバーであること。
ズシンとした重みが手のひらに感じられ
「ま、文庫になるの待つか」とは思わせない説得力がありました。
他のノミネ本についてもそれぞれ感想があるけれど、
それはまた別の機会にお話できれば、と思います。